2019.9.3〜9.6宮古島旅行−台風直撃サバイバルツアー

9月3日(火)
この9月は結婚25周年、夫が宮古島に連れて行ってくれました。宮古は3回目、12年ぶり。八重干瀬の美しさが思い出され、楽しみにしてました。
心配は台風。数日前まで何もなかったのに、前日にANAの運行状況をみたら、な、な、なんとー!4日5日は台風接近で欠航もあるかもと書いてある。えぇーっ?!嘘でしょ。
今回の旅は3泊4日、真ん中の2日しかボートシュノーケルはできないと思ってたのに、2日ともダメそうとなると…ショック、ショック、大ショックーー
行きの飛行機が欠航ならばツアー自体がなくなるけども、これが飛ぶ以上は自己都合のキャンセルになってしまう。代金も戻らないなら行くか、行くしかないのか…

11:25セントレア発の直行便で、宮古空港13:55着。小雨。
レンタカー屋さんがいうには、「明日明後日はもうダメだから、食料を買ってホテルにこもれるようにしたほうがいいですよ」。うわぁー、遊泳禁止どころか外出禁止レベルの台風がやってくるなんて。なんで来てしまったのか…

まずはお宿へ。今回はウィークリーマンションにしてみました。部屋に洗濯機とベランダがあって、海に行ったあとの処理がラクだから(ホテルは洗濯機争奪戦になるし、仕上がりを見計らって取りに行くのも面倒)。場所的に食事や買い物が便利そうなのもポイント。
ウィークリーマンション広小路
入ってみたら、学生さんのアパートにお邪魔したみたい。生々しい生活感があふれて、旅行気分とはほど遠いね…

予約は楽天トラベルでしました。

急いで、水着に着替え。海に入れるのはもう今日しかないっ!
目指すは伊良部。船でしか渡れなかったのも今は昔、橋で渡れるのよね。さすが南の島、こんなに雲が厚くても、エメラルドグリーンの海が見える。爽快。


さとうきび畑をとおって、お気に入りの渡口の浜へ。車を降りたとたん、ざっばーん、岩に打ち付ける波音が響いてます。

なにこれ、別の海みたい。浜に降りると砂が飛びまくっていて、サングラス無しでは目を開けていられない…。抜群の透明度の浜、海色は変わらずきれいだけれども、さすがに誰も泳いではいないのでした。

それから下地島、中之島ビーチへ(ここは入り江で波はない)
シュノーケル体制で向かうも、ビーチに降りる道がロープで閉じられていました。荒れてるからダメってこと?ほかにもやってきた人たちと途方に暮れていると、青年が一人近づいてきて事情を教えてくれました。「海に入られて事故が起きると評判が悪くなるから閉めろ」と怒鳴る人がいて、ちょっと前に警察出動の騒ぎがあったんだって。「警察の人に聞いたら『禁止ではない』て言ってたから、俺は入ります」ということだったので、私たちもゴー。
いやあ、最高でした。波打ち際すぐから魚いっぱい、おなじみのチョウチョウウオやスズメダイ、カワハギ類はもちろん、ハマフエフキやイラブチャー、30cm級の大型ブダイ(かな?)も。とにかく魚の種類も数も多い!腕くらいのサイズのヤガラも発見。枝サンゴも脳みそみたいなサンゴもいろいろ。楽しい海だったなぁ。


曇ってる上に、すでに日は傾いてたけども、水の中はけっこうクリア。晴れた昼間ならなおのことでしょうねぇ。

そうそう、この旅のために新調したフルフェイスマスク、よかった!締めつけ感がないし、鼻呼吸ができてとてもラク、そして視界が広いの。おっきいからかな、ある程度浮力もある感じ(それが良いか悪いかは好みでしょう)
Amazonで買いました

シャワーなどの設備はない場所なので、そのまま車で着替え、17ENDへ。夕焼けを見ようとする人たち?で路駐満車、そのままUターン。

宿で軽くシャワーして、近所の和風亭にて夕食。ものすごく普通のファミレスですね。和食のみ、沖縄料理は一切なし、地元の人が家族で来るお店っぽい(スーパーサンエーのグループ店?)


そして近所のスーパーかねひでへ買い出し。台風に備えて多くの人が買い物かごいっぱいにしてました。どれくらい用意していいか見当つかなかったけど、とりあえずカップ麺とレトルトカレーとパックご飯、パン、水とお茶を購入。

9月4日(水)
朝は沖縄名物うずまきパン(超ハイカロリー)

台風の気配は刻々と近づいていて、断続的な雨とときどき強く吹く風が嫌な感じです。気温も低くて肌寒さを感じるくらい。南国とは思えない…
当然ながら、今日の八重干瀬シュノーケルツアーは中止。前日の午後時点では、ショップの人は「午前中にウミガメシュノーケルならできるかも」て言ってたけど、夕方にはそれも無理と連絡がありました。こんな状況では、自分たちで勝手に泳ぐのも無理でしょうな。

この日の夕方には暴風雨になるというので、一歩も出られなくなるのに備え、スーパーサンエーで追加食料を調達。ついでに衣料館で靴下も。冷えるんじゃよ

この時点で小雨。まだ車も走れそうだったので島の南岸イムギャーマリンガーデンへドライブ。

なかなかぞっとする景色でした。ざっはー、ざざざーっ、大波が打ち付けてて。

ここは外洋と内海がぱきっとわかれてるから、内側のおだやかなほうは入れそうでしたけどね。いや、入らんけどね。入ってしまう人もいるのかな?宮古島警察交通課(見誤ってなければ)の方々がパトロールしてました。

西へ向かい、与那覇前浜ビーチへ。昨日渡った橋が見えます。

いやぁ、さすが東洋一の美ビーチ!日差しがなくても青をとどめていて、つい膝まで入っちゃいましたよね。シュノーケルができてたら、眺めるだけのビーチに来ることはなかっただろうけど、この曇天でこの色は大きな癒やし。よかった。


ただ風が砂をふき飛ばし続けてて、足に打ち付けるのが痛い痛い…立ってるだけでも風に押され、長居はできそうもありません。こんな中、ウェディングフォトを撮ってる新郎新婦がありました。ツワモノですなぁ。おしあわせに!

ここでちょうどお昼、来間島に渡る橋の手前で宮古そばを。

雨で冷えた中、あったまる〜。量は多めでした。(小)でよかったかも。


喫茶:蜃気楼

ここから来間大橋を渡り、昔行った長間浜へ。途中、たくさんお店ができててびっくり。宮古島は建設バブルって聞きましたが、来間島にも大量の別荘?コテージ?がまさに建設中。伊良部にも小洒落た建物が増えてたし。あっちもこっちも様変わりしてます。本土の資本が良い場所を買い占めて開発しまくってるとのことだけど、島の人にとって良いことなのだろうか?雇用が生まれるからいいのか?一時的なもので終わらなきゃいいけど。
私としては寂しい気持ちです。沖縄本島はもとより、石垣島と比べてもずっと素朴な宮古島がすきだったから、他と同じようなリゾート仕様になっていくのは残念。

雨がけっこう降ってきて、結局、長間浜には降りず、引き換えしてもう一度、宮古島南岸を東へ走ります。もう少しで東平安名崎というとこで、どんどん空が暗くなってきました。

横殴りの大雨になり、海も冬の日本海みたいな様子に…運転も危険という判断で引き返します。

宿に戻っても何もすることがない。気圧のせいか眠くて眠くて、二人とも小一時間お昼寝。
起きて外を見たら!ベランダに水が溜まってる!どうも、この階の排水溝はうちの部屋の前のこのひとつだけみたいで、ここに集中してきてるんだけど、ゴミがたまってる様子。あかん、これでは浸水するかもっていうので、夫が掃除してくれました。こわー

夕方、雨が落ち着いている時に散歩。近所のお寿司屋さんに行ってみました。(昼のおそばが多かった上に動いてなくてお腹も減らないけど)島でも人気のお店だそうで、台風最接近の明日はきっと出られないから今。


鮨 浅草


上寿司。シャコ貝はこっちでしか食べられないですね。海の味。シャリは大きめ、玉子は甘め。マグロとハマチがおいしかったです。

夫は夜食にこれ、サンエーで買っておいたフーチャンプル弁当+ 魚の天ぷら。

9月5日(木)
予報通り、昨夜から台風が接近。これがかの沖縄の台風かぁ、いまだかつて体験したことのない風・風・風。台風情報をみるためにテレビをつけたり消したり、窓の外を眺めてはため息つき、吹き荒れるさまを撮影してみたり、部屋から一歩も出られないまま、落ち着かない気分で数時間。ベランダを見たら飛んできた大量の葉っぱでまた詰まってるし、気づけば反対側、玄関前の廊下もだいぶ水がたまってきてました。なんてこった。
お昼にはカップ沖縄そば。必要なかったらおみやげになるしねーって買ったのを本当に食べるはめになるとは。

でも午前中はまだ甘かったのです。お昼頃、まさかの停電。ここからがきつかったですね。冷蔵庫もレンジもダメ、お湯も出ないんですよ(給湯器のスイッチが入らないから)。テレビの台風情報は得られないし、この時点でスマホの充電は70%、復旧までもつかしら?と思うと、あんまり検索もできない。

不安な中、窓の外をパイロンが飛んでったり、ときおり聞こえる消防車やパトカーのサイレンがこわい…

やがて台風の目がやってきました。これね、あからさまにわかるんですね。急に風も雨もおさまり、何ならちょっと明るくなって。思わず外へ出ましたよ。冷蔵庫が使えないから水の傷みが心配で、新しいのを買おうとすぐ前の自販機へ行ってみたんですが、、そう、電気がなければ買えやしないんですよね。

同じく自販機にトライしてたドレッドのお兄さんが「ドンキは開いてるみたいですよ。あと一時間くらいは風も大丈夫だから」って教えてくれまして、車で出発。が、数百メートルで挫折、信号も切れてるんですもん。交差点が恐すぎて無理。

あきらめて部屋に戻ると、隣の人が救急車を呼ぶ騒ぎ。地元の大家族が2〜3部屋にわかれて住んでる様子でしたけど、大きいお祖母ちゃんに持病があって電気が消えるとまずいっぽいんですね、大変。子どもも5〜6人いたし大丈夫かな。あと同じ階の中国人旅行客夫婦も言葉もわからない中で情報がないのは困っただろうな。ここはホテルと違ってスタッフがいない建物だから。

そうこうしているうちに、暴風雨が再開。窓の外は同じ光景がずーっと続いて、時間の感覚がおかしくなるし、こうも長い時間、狭い部屋に閉じ込められていると、気が滅入ってきます。間に合わせの家具のプアな感じ、スプリングが壊れていて異常に沈み込むソファ、ちぐはぐなコーディネート、そういうすべてにうんざりしてきちゃうんですね。ほかの住人もそうなんでしょうな、台風はちっともおさまってないのに、出かけていく車のライトが何台もちらちら。島内の9割が停電中にいったいどこへ行くのか?お店も全休なのに。

日が落ちる前にお湯を沸かし(ガス台は使えた)レトルトカレーを温め、冷たいパウチご飯にかけて。

そして恐れてた夜がやってきました。お風呂は無理でした。窓のないお風呂場は真っ暗すぎて水シャワーもできない。トイレも漆黒の闇。スマホの電気を最低限だけ灯してましたが、唯一の情報源スマホの電池は極力温存しないといけないし。心細い夜でした。

教訓:モバイルバッテリーを常にパンパンにしてもっておくこと。LEDライトを持っていくこと

雲がなくなってれば、電気がついてない夜の空には、満点の星が見えたでしょうにね。

9月6日(金)
あんな台風の中、復旧できないのは当たり前だけど、電気がないまま朝がやってきました。天候は落ち着き、帰りの飛行機も飛ぶ様子。鍋でお湯を沸かして水シャワーに混ぜて体を流しました。

早々にチェックアウトし、午前中はドライブすることに。あちこちで折れた木が転がり、切れた電線がブラブラ、ガラスが割れたお店、冠水した道路もありました。島の人達は片付けに追われています。あいかわらず信号が消えてるので、一部の交差点は警察官が手旗信号をしていました(たまについてるところもあり)。

停電中でも営業してくれてるドンキホーテへ立ち寄って飲み物購入。

店内が暗いため、入口でほしいものを言ってスタッフにとってきてもらうシステム。レジも動かないから手計算で現金精算。ガスボンベなどを買う人も多かったです。

パイナガマビーチでは海外からの旅行客が海に入ってましたよ。

島の東海岸へ走ります。途中、宮古島温泉を見かけました。昔、ちびっこ連れて行ったなぁ。停電じゃなければ入りたかった。


宮古馬かな?小さいお馬さんたちも見かけました。

向かった先は新城海岸、意外と多くの車が停まってて、海に入ってる人もちらほら。けっこう寒いのに、頑張るなー。

今日の海はシェイクされてるから、シュノーケルしてもコンディション悪いでしょうけど、夫は入りたそうでした。せっかく宮古まで来て、初日しか海遊びできなかったから気持ちはわかる。でも海から上がってシャワー無しで飛行機にのるのか?自粛です。

宮古ブームがきて、女子旅も流行ってるのかしら?全体に女の人が増えた印象。となるとやはりインスタ映えは必須でしょうね。新城海岸では、おもむろに服を脱ぎだす子たちがいて「なに?」と思ったらビキニで写真を撮っていました。海には入りたくないんだろうけど、それっぽい写真はほしいてことか。

そうそう、ひとつ疑問なんだけど、宮古の鳥たち、ものすごく低空飛行するのなんで??しかもすごいスピードで(速すぎて鳥の写真撮れず)、わざわざ車の前に出てくるんですよね。うわっぶつかるっ、轢くって思ったの数え切れないくらい。なんらかのチャレンジしてるのか?あれで事故はないのか?謎です。

市街地に戻る前に、ふたたびイムギャーマリンガーデンに寄りました。

一昨日はロープで閉じられていた遊歩道が開放されていて、まぁまぁの人出。とはいうものの、遮るものがない道は、まだ残る風にあおられます。ときどき大波もきて道を濡らしてました。

今回の宮古は、旅行らしいことがほとんどできず、最後にせめて、いかにもなマンゴーパフェでも食べられたらなって話してたのですが、停電が続いててお店はどこも開いてません。そりゃそうですよね。


飛行機は飛ぶなら、空港には電気があるんだろうか?フライトまではまだ時間があったけど、早めに空港に行くことにしました。

レンタカーを返す前のお約束はガソリン満タンですが、ガソリンスタンドも停電のため「緊急車両のみ」との張り紙。そのまま返したら「1km¥50で計算して、台風特別対応でその3割だけもらう」ということで¥3000払いました。マーチの燃費がわからんけど、なんか高いような?そんなものかな?(ガソリン目盛は2つ減ってた状態)

さて、空港ではANAのチェックインは長蛇の列。一時間ほど並んでようやく手荷物を預けたものの、お土産屋さんがほそぼそと開けてくれてるだけで、飲食は閉まってました。仕方なく残ってたパンとサーターアンダギーをロビーでむしゃむしゃ…
このあと保安検査場を通ってからが大変でした。チェックイン時点で14:35発が55発になったのは聞いてましたが、搭乗口前まで来てから16時発に変更されたんです。昨日の欠航でお空が混んでるんだとか。いやー、1時間以上遅れるとわかってたら、外にいたよ…エアコンなしの待合いスペースに超満員、暑いし酸素不足?もうろうとしてきます。

熱中症やばくない?航空会社もそう思ったんでしょうね。通常よりだいぶ早めから搭乗開始されました。機内は涼しいからな。不思議だったのは、機内で2時間以上スマホを使えてる人が何人もいたこと。私はこの時点で残すとこ30%だったから…充電できたの??車からとったの??疑問でした。ま、電気がある地域や自家発電があるホテルもあったんだから、案外ふつうに過ごせた人もいるのかもしれないですね。

7時前。セントレアについて「まるは食堂」へ。ふつうに白いご飯を食べられるしあわせ〜〜

18年の沖縄旅行でも、こんなもろに台風直撃にあたるのは初めてでした。またとない体験。なかなかキツイ旅だったけど、島の人はそのあとも停電が続いたわけで、本当にお気の毒だしお疲れさまです。

八重干瀬リベンジしたいなー。ただ、、こうもベタな観光地化されてく宮古を見たら、二の足を踏む気持ちもあるのでした。次に行くなら離島の素朴さが残るとこにするかなぁ。