CDを作る
CDジャケットデザインから完パケまで流れを知っておきましょう。
CDプレスや音源配信、デモ盤など必要に応じて対応します。
CDジャケットを作る場合、どうやって作るのでしょう?自分で作る場合はご参考に!もしくはどこかに注文する場合も何を伝えればよいかの参考になれば!
昨今CDを作る人なんてホントに減りましたね。先日も自分のCDを作りましたがもうCDを聞ける設備自体を持ってない若者がほとんどですもんね。
いやぁ嘆かわしい限りです。サブスク全盛の今はジャケットだの曲順だの関係ないです、単発で気に入った曲だけど勝手に他のアーティストとゴチャ混ぜにして聴いちゃいますからね。
だが、しかしアーティストの作り出す音楽はただの音だけではない!ジャケットや曲順にまでこだわってすべてがアートワークとしての作品を提供するべきですよ!バンドのロゴだってそうです、そこからバンドの方向性や音楽性を感じ取り、ジャケットのデザインで曲風やメッセージを想像し、音を聴きながら歌詞カードを眺めて自分の血肉に落とし込む。そういうもんじゃないですか?
という意見に賛同されるアナタはこの先の内容を読んで、是非ともこれぞ作品!というCDを世に送り届けてください。
まぁホントにCDは売れないですけどね(笑)。その他の物販(Tシャツやグッズ)でカバーしてる人はたくさんいますが…それでも売れるCDを作りたいですね。
そのために必要なことは何でしょう?それはバンドや音楽性のキャラをしっかり伝えることです。例えばロゴのデザインもわかりやすい作風にします。もちろん読みにくい、見にくいというのもある種のわかり易いアイコンになり得ますのでマーク一つでアイデンティティをアピールできるようにしたいです。ローリングストーンズのベロマークぐらい独り歩きしてくれたら最高です。
ジャケットのメインビジュアルもそうです。女性SSWの中には女性を売りにしてる部分もあるなんて人もいますね、またビジュアルバンドなんかも美しさが売りです。そういう場合はジャケにバッチリきれいな自身の写真を使うのは正解です。撮影や写真選びにこだわりましょう。
見た目が勝負じゃない人(笑)はそのアルバムのコンセプトを重々自分自身が理解してそれを画像で伝えます。例えば真っ白のジャケ(ビートルズ的な)なんかもアリなのですが、誰かのマネではなくてしっかりしたメッセージがないとダメですね。空なの?海なの?愛なの?地獄なの?音楽性をビジュアルで表現するとしたらどんな絵が浮かびますか?
そんなことは聴く人には関係ないですか?常連客や友人に売るだけなら関係ないですね、ただいい楽曲と演奏を届ければいいだけです。が、しかしまだ見ぬ人、知らない人は視覚だけで判断されることがほとんどになりますから目で楽しんでもらいましょう。
その音楽以外の部分に手を抜いた場合、やはり最初のインパクトが小さくなりますからね。
もう写真集に近い感じの冊子になったジャケットを作ってどっぷり世界にハマってもらいたいなら10mmプラケースに8Pブックレットなんていいんじゃないでしょうか。ジャケット表面以外にもバックインレイ、バックインレイの裏側、帯も含めたらかなりの情報が詰め込めます。
またツアーに回るシンガーソングライターの方などはもう紙ジャケットがほとんどですね。シングルポケットの最もシンプルな作りです。一人で機材もすべて担いで旅をするのでできるだけ荷物が嵩張らないようにするためですね。ボクの昔の感覚ではCDラックにきれいに並べるには不具合があるので紙ジャケットは好きじゃなかったのですが、そもそもみんなCD買わないからもうどうでもいいです。売りやすい、買いやすいがメインなら紙ジャケットは悪くないですよ。
などなど自分自身も音楽をやっているのでアーティストの方を基本的には応援していますよ。まぁしょーもないアーティストもいっぱいいることはこの際おいておいても。
背の厚みが10mmです。
ケースの色が透明、黒、白があります。
たいてい必要なものは
になりますね。
表紙になります。ページ数は2ページ、4ページ、中綴じの場合は8ページ以降は4の倍数ずつ増えます。
ジャケットに掲載する内容は、まず表紙に
表紙以外では
サイズは大体120mm×120mmですが、いろいろなCDプレス会社や印刷会社によって119.5mm×121mmとかもあるので注意が必要です。
2ページというのはこの正方形ペラの状態の表裏で2ページとなります。二つに折って正方形になる場合は表紙+中面見開き左+中面見開き右+ウラ表紙で4ページになります。
この4ページを重ねてセンターをホチキスで止めると8ページになります(中綴じ)。なので中綴じの場合は4ページ単位で増えていきますね。
あとは三つに折った6ページもあります。横に広げると片面に3ページ分が並んでますね。
色については大まかにカラーとモノクロに分かれます。折ったり綴じたりしても広げた状態での1面単位になりますので4ページの場合、表紙と裏表紙がカラー中面2ページがモノクロっていう具合に分かれます。
デザインに関しては完全に好みなのでこれが正しいというのはありません。ただちょっとした要領みたいなのはあるかもしれないですね。
一応気にしておいたほうがよいのは
などなどキリがないけど参考にしてみてください。
たぶんイラストレーターやフォトショップで作ります。Office系のソフトは向いてないですね。
印刷データ制作に必須なものは
などがあります。
あと文字が細かったり小さすぎるとつぶれたりかすれたりします。歌詞が多い人は注意で
す。最低でも5pt欲しいので曲数が多い、歌詞が長い場合はページ数を増やすなど工夫が必要です。
トレイの下にはめ込みます。CDの裏側になりますね。
黒・白のケースなら片面のみ、透明ケースだと開いてCD盤の下に絵柄が見えますので両面デザインになります。
また背が2箇所あるのでタイトルやアーティスト名などを細い場所に入れなくてはなりません。
たいてい掲載するものは
といったところでしょうか。
透明ケースの場合、CD盤の下にアーティスト写真を入れたり、ジャケットで入りきらなかった歌詞以外の文言などを入れる方もいます。
基本はCDジャケットと同じですが、内容が多くなりますのですっきりとかっこよくしたいですね。品番や発売日などは小さく下部にまとめたり、注意書きはうんと小さくしちゃったりします。
そのぶん収録曲を大きくしたり、表紙を抽象的なイメージにしたときはバックインレイにアーティスト写真を大きく載せたりするとよいかも。
サイズは縦117.5mm幅150mmですが、幅の内左右6mmずつが背になります。なのでそこにミシンを入れるためのトンボが必要です。
バックインレイはサイズを間違えると確実にケースにキレイに入らないので注意が必要です。
ケースの外側に巻き付きます。
サイズが大小あります(幅が違います)のでそれぞれで変わって来ます。たいてい掲載するものは
といったところでしょうか。
小さいタイプはオモテ側が細いので1行くらいのコピーが入ります。
大きいタイプだとまぁまぁ幅がある分、ジャケットにも被さってくるのでバランスや整合性などを考慮します。
基本はCDジャケット、バックインレイと同じですが、内容が少なく、また全体の差し色にもなるのでシンプルかっこよくしたいですね。レーベルアイコンや品番や発売日など必要事項もありますが、オモテ側に大胆にキャッチコピーやアーティスト名を入れるなどができます。
また裏側には独自の宣伝的なものも入れられますので過去リリースのディスコグラフィや自身のバイオグラフィなど手にしたときにおもしろいものを載せるとよいです。
サイズは小で縦120mm幅55.5mm、大で縦120mm幅70.5mmですが、背幅が10.5mmになります。なのでそこにミシンを入れるためのトンボが必要です。
まさに購入して封を切るまでのアイテムなので目を惹くデザインにするのもよいです。
これこそ買ってからのお楽しみです。ジャケットにリンクしたデザインでシンプルにまとまっているとプロっぽいです(笑)
たいてい掲載するものは
といったところでしょうか。
盤面(レーベル)はシルクスクリーンで印刷することが多いです。他のアイテムがフルカラープリントであるのに対して、ハンコと同じ要領で指定したインクのみで印刷します。
多色刷りの場合でもこの色とこの色で、って指定しますので基本的にシンプルになります。ただ紙と違って地色が銀なので色を付けない箇所を指定すればそこだけ銀色になるってわけですので使いようによってはゴージャスでかっこいいですよ。例えば全面黒でタイトルは赤、アーティスト名が銀、みたいなね。
データ制作においては、他のアイテムはCMYKで色を指定しましたがシルクスクリーンではそれは不可です。特色指定をしてその特色のみでオブジェクトに色をつけてください。
また盤のプリント範囲に内径23mmと46mmがあります。中心の透明部分まで色をつけるかどうかです。46mmの場合は中心が透明になりますが、23mmはその透明部分に色を乗せるので透明以外の部分(地色が銀色部分)と出来上がりの色味が少々変わります。そのあたりも考慮するといいのですが、まぁ正直言ってシルクスクリーン印刷用のデータを素人さんが作るには敷居が高いと思ってます。
あと他と同じようにフルカラーのプリントも実際は対応可能ですし、少部数の場合はオンデマンド印刷でフルカラー対応なので、そちらは簡単ですよ。ただチープな感じかなと思ってます。
音楽のジャンルや自分たちの芸風、本作の作風がありますよね。そこからかけ離れずにビジュアルで伝えやすいイメージを決めます。
冊子の形式にするのか、ペラ一枚にするのか、などです。曲数の多さや歌詞の量、もしくは写真をたくさん使いたいとかそういうことからページ数や全体のボリュームがわかります。
流通に流すために数百枚、数千枚必要なのか、会場で手売りするので100枚あれば大丈夫なのかというところです。またあまり長く在庫を持ちたくない、販売する期間を短くしたいといった事情でも枚数を考えなければいけませんね。
案外リーダーが一人で全部勝手に決めちゃって、あとからあとから修正や変更が湧いてくる、なんてこともあります。それぐらいまとめておこうよとは思いますが今一度早い段階で意見を摺り合わせた方がよいです。
完全に原稿が揃ってから1週間くらいで一度デザインしたものをお見せできます。
それをみなさんで校正・チェックをしてもらってこちらへ戻す&修正作業を数日かけて行い再度お見せする。を繰り返します。
最初のご希望がしっかりしていないとどんどん変な方向へ修正が進みます。
お客様の段取りもありますが結局1〜2週間のつもりが1〜2ヶ月になってしまうこともあります。またデータがすべて完成したところでCDプレスに確実にさらに3週間ほどかかりますので、発売日が決まっていたら早め早めに進めるようにしてください。
アルバム内容を彷彿とさせるイメージ写真やイラスト、メンバーのビジュアルを出したければアーティスト写真などです。
自分たちで撮影してもカメラマンが撮ってもなんでもいいです。
サイズだけは大きめ、画像解像度も大きめでお願いします。小さく荒れた画像ではどうやってもキレイになりませんが、キレイすぎる画像はなんとでもできます。
イラストなどは手書きであってもスキャナーで読み取れますし、キレイにカメラで撮影したものをいただければよいです。いずれにしても全体のデザインや色のバランスを決めることになるのでこれは!という画像を用意してください。
アルバムタイトル、アーティスト名(正確な表記)、歌詞、作詞作曲、クレジット諸々、発売日、金額、品番、レーベル、URLやQRコード、メッセージなど既存のCDを参考にして必要そうなものを用意してください。
歌詞など細かい文言においてもすべてテキストデータでご用意ください。こちらで手書きの文字を読みながら手入力は一切いたしません。いただいた原稿をコピペするので校正時にしっかりチェックをお願いします。OKをいただいてから後で間違ってましたって言われてお責任は負えません。
特にスタッフのお名前なども要チェックです。
adobeですね。今は使ってる方も多そうですが、遊びで自分で楽しむのと印刷会社に提出するものでは違うことが多いのでご注意を。
ドキュメントのカラーモードをRGBのままにしている人もいますが、RGBは光で色を作る場合です。印刷物はインクで作るのでCMYKモードにしないとあとで色が変わってびっくりします。
主に貼り込まれる画像のことですが、埋め込み画像の解像度を72dpiのままにしていると粗い画像になります。ドロップシャドウなどの効果も低解像度で仕上がってしまします。
web上でいろいろな書体が転がってますが、パソコン上にその書体がインストールされていないと表示はできません。入稿先で書体が化ける前にアウトラインにしてください。
貼り込んだ画像を埋め込めばよいですが、リンクしてある場合はその画像データも必要です。もちろんその画像データもRGBではなくCMYKにしておかなければいけません。
ドキュメントのカラーモードはCMYKです。
ラスタライズ効果はこれぐらいです。
色の付け方はこんな感じでCMYKで指定すると印刷物に近づきます。
仕上がりサイズでトンボを入れます。このようにオブジェクトにしてください。必要ならば折りトンボもきっちり作ります。カラー指定はレジストレーションですよ。
塗り足し部分と仕上がり線がわかるようにガイドを入れると便利です。
文字アウトライン、リンク埋め込みにすると表示が変わります