2008.3.30~31 奈良:鹿男あおによし

今年に入ってから見ていたドラマ「鹿男あおによし」。しゃべる鹿と謎解きが気になって、家族全員で見てました。ドラマに映る古都の町並みも魅力的で、奈良へ。夫は、もともと仏像好きでもあり。

3/30(日)

朝9時、自宅出発。名古屋高速→東名阪→西名阪。一週前の新聞に、第二名神の開通で、東名阪が混んでると載っていたので心配したけれど、四日市辺りで6kmの渋滞で済んだ。ほっ。

天気予報は雨。前日まであんなに晴れて暖かかったのに、どんよりと曇り空。伊賀を越えたあたりから降り出し、気温も低い。予想最高気温が10度。冷えるよー。

11時半、奈良公園に到着。雨とはいえ、春休みの日曜日、人がいっぱいです。傘の花。近場の駐車場はいっぱいだったので、公園南にある高畑Pに。芝生で食べようと思って作ったお弁当だけど、座れそうもない雨。車内で食べることに。

鷺池から公園に入ると、桜に彩られた浮見堂。良い季節に来ました。ほわんとしたピンク色が雨に滲んで、雅やか。和歌でも詠めるといいんだけど。

 

東大寺に向け、お土産屋さんが並ぶ通りを、鹿を眺めながら歩く。新撰組グッズや忍者装束、おもちゃの刀など、不思議グッズもいっぱい。

まずは南大門の金剛力士像。人だらけの上、網が張ってあるのと、曇って暗いのとで、見えにくーい。

そして大仏殿へ。人でぎゅーぎゅーです。真正面からゆっくり拝見なんてのは、ちょっと無理。人に流されつつ、隣に控える如来や、広目天など、見ていく。

小学校の修学旅行で見たはずなのに、覚えがないものだわ。唯一、記憶が残っているのは、柱に開いた「大仏様の鼻の穴」と同じサイズと言われる穴くぐり(右の写真)。

くぐりぬけの順番を待つ列に並ぶ。 後ろの親子が「お母さんは無理だってー」なんてつぶやいてても、私はやる気満々だったんだ。が、夫に止められ断念。「詰まったらパニックだぞー」と。たしかに、大柄の子供でも抜けられなくなっている。くうう。無念。

 

大仏殿に続いては、西側にひっそりとたたずむ戒壇堂へ。夫が見たがっていた四天王像があるのです。中学生のとき、仏像ファンと一緒に、ここを訪ねて以来のご対面だそうで。

本で見た時は、「こわっ」だったんだけど、実物は全然違うもので、魅入られます。撮影禁止だし、近づくこともできない重要文化財。もっと傍で、せめて同じ高さで見られたらどんなだろうか。昔は、壇上に上がれたそうですが。

ここ戒壇院は、訪れる人が少ないようで、大仏殿の大賑わいが別世界。係のおじさまが、気さくに説明などしてくれるのですよ。「鑑真和上が日本に来て初めて入ったのは、唐招提寺でなく、ここ戒壇院だよ」とか。踏みつけられている邪鬼にも男女があるとか…。おもしろい話でした。

 

そして、ドラマでも出てきた「猫段」を上って、鐘楼、二月堂、三月堂がある場所へ。

ここで、私たちは、今思えばとんでもない選択をしたわけですわ。刺すように冷たい雨の中、若草山に登ろう、と。入山料を払うとき、「鹿男、見てはりました?」と聞かれ、所要時間を尋ねたら「往復一時間くらいかな」という答え。そこでひるむべきだったのだけど、決行。

猫段で転ぶと猫になっちゃう?とかなんとか。

これが、いきなり急な階段なわけ。 登り始めて数分で太ももがパンパンに。でも、降りてくる人の中には、ヒールのあるブーツの子、スカートの女の子もいるし、行ける行けると張り切ったんだけれども、急こう配プラス、傘をさしながらずるずるにぬかるんだ道、あぁぁぁぁ。

一重目、二重目ときて、もう少しで山頂というとこでリタイア~。くやしいけど~。雨が強くなってる上、風も。傘はもはや意味をなさず。それでも!頂上は、最終回でのあのシーンの場所だから、カップルは頑張って登ってたね。

はぁぁ、燃え尽きました…。法華堂(三月堂)も仏像の宝庫ではあるけれども、今は一刻も早く座って温まりたい!その一心で茶店に転がり込む。ホットコーヒーがこんなに美味しく感じるとは。

 

いつのまにか夕刻。駐車場に向かって歩き始める。3人とも、全身ずぶぬれです。
息子、大きい鹿には、ちょっとビビりあり。私も小さい頃、鹿に追いかけられて、泣きながら逃げた思い出が。鹿せんべいを持ったまま走ってたからなんだけどさ、息子にも鹿せんべいを与えるってことをやらせたかった。タイミング逃して、せいべい買えず。

飛火野 :ここは、ドラマで小川先生と鹿が話してたとこで、見覚えのある木があり、川があり。

芝生地帯から道路へ戻ろうかというときに、息子、濡れた斜面ですべって全身泥だらけに…。わわ、ジーパンの替え、持ってきてないよー。宿で夕食付けといて良かったぁ。

 

息子は、学校で「昔のもの」「古いもの」を習って以来、「お櫃」でご飯を食べたい!という希望があって、お部屋食の旅館を予約。ならまちにも程近いホテル美松 。こぢんまりとした、昭和の旅館です。」

仲居さんが部屋まで案内してくれて、お茶を淹れてくれました。ジャパニーズスタイル。すいません、私たち、泥と芝生で、ほんと汚らしい格好で。お部屋の窓からは、雨にぼやけながらも
興福寺の塔が見えました。

さてさて、冷え切った体を温めるには、まずお風呂・・・。中浴場というところかな。まだ5時ごろでもあり、他のお客さんもなく、貸切状態。ただ、温泉ではないので、かき混ぜないと上部だけ熱く、底のほうはつめたーい…。

夕食は、結構なボリューム。 ここのホテルが商標登録?してるという鑑真鍋もあり。内容は、野菜と海老やカキ、蛸のすりものみたいなのが入ってて、お出汁が美味。お腹いっぱいすぎ。

いつもなら、夜の散歩などするところだけれども、もうコンビニにすら行く気も起きず、テレビなど見て、仲居さんにお蒲団を敷いてもらって、とっとと就寝。

 

3/31(月)

朝、食事の用意をしてくれたときにお話ししてたら、仲居さん、鹿男のロケを見に行ったそうで、それは、ホテルからもすぐの三条通り「ピノッキオ」という喫茶店。私たちもチェックアウト後、そこにコーヒー飲みに行きました。うんうん、確かに、長岡先生に水をぶっかけられてたとこだ。(どんだけミーハーなんだ・・・)

その後、ならまち散策(月曜日休みが多くて残念、これから行かれる方はご注意!)。あしびの里でお土産に奈良漬を購入。このあたりは、ドラマに使われてた建物が多い。でも、ほんとに普通に人が暮らしている住宅街なのです。細い細い路地だけど、車も走ってくるし(ほとんど軽)、ぼーっと立ってると危ないアブナイ。

猿沢池より、興福寺の五重塔を眺める。入らなかった興福寺に、夫が見たがっていた仏像があったのでした。日を改めてチャレンジだ。

さーて、朝は曇り空が残ってたけど、すっかり晴れている。車に戻って、若草山、再び。有料道路が通っていて、アップダウン&カーブの先に、頂上です。わー、きれい。今日は奈良の街が見渡せます。県庁やなんかもくっきりと。

しかしながら、強風。ふっ飛ばされそうです。目も開けにくい。周りには、悠々と行きかう鹿。駐車場にいたのは、人慣れしてる様子だけど、原っぱにいる鹿は人間なんて。って感じで。

続いては、平城宮跡。近鉄電車が走る田園風景に、再建された立派な門?。ドラマで儀式をした場所ですわ。妙に新しくて、不思議な感じです。このあたりは遮るものがまったくない状態で、びゅんびゅんの風。門についた鐘が轟音を立ててました。

そして、唐招提寺へ。が、なんてことでしょう。修理中のため、お目当ての仏像は見られない、観覧可能なのは鑑真和上の像だけ、と。でも観覧料は通常通り800円って、えええーー。

今回は見送り、歩いて薬師寺へGO。って、ここもですね、日光・月光菩薩が東京で展示のために出張中。うっそ。だけどもここは入場。夫は来たことがないってことで、建物だけでも見たいと。

私は小学校の修学旅行以来。でもさ、昔のは焼け残った五重塔のみで、他はすっかりカラフルにリニューアルしていて、当時とはまったく別物。思い出の中では、もっと静かで、歴史の重みを感じるお寺だったんだけどな。

本堂前では、人形浄瑠璃の上演など。そのため、レプリカの菩薩像すら、見えにくくなってて、残念至極。

お坊さんのお説教を拝聴。笑いありの語りで、写経のお勧め。般若心経を写して願いをくわえ、薬師寺に送ると、屋根裏?の倉庫に置いてもらえるのだそうで。いずれやってみたいものです。

この本もおもしろですよん

さてさて、ちょっとお茶でも、と思ったものの、このあたりはお店らしきものもなく、ならまちに舞い戻り、あ・うんcafeというところで、おぜんざいを。午後になると観光客が激増です。中国からの人も多し。

とにかく歩きっぱなしの二日間。暗くなる前に奈良にサヨナラ。京都のような華やかさや賑わいはなく、もっとずっと素朴な古都:奈良でございました。